2012年11月18日日曜日

現代の美の術

深夜にやっていたアート番組。
情報量が多い割にはコンパクトにまとめてあって面白かった。
驚いたのは、退屈だと想っていた現代アートの作品に、実はいろんなコードのサインが秘められていたことだ。わかる人が見たら一発でわかる。自分は何も知らなかったわ・・・。

アートの世界を支えているのはお金持ちの吸血鬼たち。彼らが大金をはたいて現代美術の作品を購入する意味がわかった。アートは視覚という表現方法であるため、直感やアイディアが表現に結びつくまでの距離が短い。映画や舞台のように多くの人が関わったり、小説のように構成を組み立て内容を膨らませたりという手間がない。要は複雑じゃないのだ。

だから、わかる人が見れば(芸術がわかるという意味ではない)、他のどの分野よりもずっとシンプルでダイレクトで、まるで指令書のようになっている。買い集めればコードファイルになる。大金払っても欲しいわけだ。直感がそのまま視覚化されたものだから、わからない人には全くわからない。暗号のようなもの。コレクターにとってこんな都合のいいものはない。


番組に流れていた作品をいくつか。

西野達:NY・地上20メートルのリビングでコロンブスと語らう
→征服者コロンブスの出航と上陸を体感しましょーという作品。血筋臭が凄まじい。

スタイリッシュ! 公衆トイレが「高級ホテル」に変身 宿泊当選者も満足
→公衆トイレに集まった一般人の想念をそこに泊まって寝て頂く。

・出会った人に車体に夢を書いてもらい全国各地を回るプロジェクト
→たくさんの想念、エネルギーを車に集めて回ってそこで寝るっていう。えげつな・・・
しかも走った道筋を文字にして日本列島に「いっせ~のせ」という地鎮めにもならない字を描くとか。呪術かいな。

公衆トイレに泊まるプロジェクトも、車体に夢を描いてもらいながら車上生活するプロジェクトも、別の日本人作家によるものだけど、どちらも想念が集まる場所で寝るという共通点が。これが無意味なわけがない。二人とも海外から評価を得ているのも意味深。

・ほふく前進して生活し、できないことは人に助けてもらうパフォーマンス
→地面からエネルギーを得て、みんなに助けてもらおう

・草原にある一本の樹の写真と、その樹(根っこにロケット)が空に飛んでいく写真。
→樹木のコードが空へ。養分さんを空へ。

・ヤドカリの貝をミニチュアにした世界の有名建築物に
→夢殿は蠱毒の上に/移動する家=路上生活者

・ミノムシの蓑にカラフルなデザインを施し、それと同じ服を着る
→蠱術を示唆

・ピンク色をしたアザラシ
→ピンク=性、女性、アザラシ=人魚。女性たちに海の動物のコードが乗ることを意味している?

・ショッキングピンクの床の部屋と中央に置かれた金色のオブジェ(お買い上げけてーい)
→スポットライトを浴びるストリッパー小屋/遊女は金(ゴールド)


うーん。すごいな。覚えているのを書きだしただけでもいろんなサインが。
まさかこんなにあからさまなメッセージが含まれていたなんて。

でもまあ確かに現代美術のようなテクニックよりもアイディアやコンセプト重視の世界では、人々が潜在的に抱えているものがそのまま反映されるのかもしれない。夢や記憶、オカルティックな見えない想念の世界、未来の行方などをビジュアル化していると言ってもいい。直感に従って作られるものは、予知や霊視と変わらない意識の世界を表現している。



前回の番組があった(削除されていたのでここで観れる→【お笑い】より『ARTはアーホ! [DO!深夜] 2012年1月27日放送分』)。同じ作家が出ている。

ここにもマイホームと言いながらホームレスを連想させるパフォーマンスや、髪の毛や想念体を仮面にして身に付けたり、怨霊さんを造形したり、自転車に付けた蓄音機で想念を編んでいることを表現したり、食と器に注目したり。
鉛筆でひたすら塗りつぶして鉄板のようにしてエルメスのマークをプリントしたりするのは、鉄は富と言ってるのかも。牛乳パックで作った巨大な牛のオブジェで動物に力が集まるのを表現したり。
部屋の中をコマ送りにして映した作品はまるで物が生きているようにも見えたしそれがコンセプトらしいけど、私には地震で揺れた部屋のように見えたなあ。

面白いのは、作家の作品を語るコンセプトと、実際に鑑賞者に与えるイメージやインパクトが全く一致していないことだ。これは本人も気付かないもの。作家の頭で考えたコンセプト(顕在意識)に対して、アートは視覚化によって潜在意識にある深いイメージを表現してしまう。それは本人が到底コントロールできるものではない。だからこそより深い情報が欲しい者には価値があるのかもしれない。

この番組、アートをアーホと言ったり、タイトルロゴに精子のような分泌物を描かせたり、評価する際に作家の体に直接ベタベタとシールを貼りつけたり、かなり不快な要素も混ぜてお送りしている。こういう所にこのテレビ局の本領発揮が見て取れる。いいのか。結構な人たちを敵に回しているようにしか想えないんだけど。

登場するアーティストたちは皆現役の大学生で、若者の、アマチュアの、よりフレッシュな情報が伝わってくるのがいいのかもしれない。たま(バンド)が出てきたときのイカ天に似たものが。

何だか昔取った杵柄じゃないけど、作品のコンセプトを読み解く作業は想念の世界を読み解くのに近いものがあってつくづくこういうことが好きなんだなーと想う(〃∇〃)
形而上の意味や解釈を考えていると、いろんなイメージが見えてくる。楽しいのは本人だけだろうけど(爆

何かを表現するには、何か物を作るには、当然エネルギーが要るわけで、そうなると自然とエネルギーのあるものに引かれ、それを扱うことになる。作家も媒体に過ぎない。何にエネルギーを感じるかで個性が違い、またエネルギー源が違うということになる。現代アートが理解されないのはある意味自然なことかも。

美術品を買っている人は、想念体やコードが引き寄せるエネルギーを買っている。ピンクの床の部屋は、ただ床をピンクに塗っただけだった。でもそれをお金を出して買う人がいる。自分で床をピンクに塗ればいいわけじゃない。それを想い付いた作家(霊媒)によって集められ集まる想念を買っているのだ。収集したコレクションは未来の情報やエネルギーを引き寄せるコードでもあり、護りとなるアイテムとなる。



Frize art fair(番組で特集していたロンドンのアートイベント)

動画が見つかった。
ダミアン・ハーストの薬棚は何十年も前からやっていたのにその頃に深い意味はわからなかった。解説されていたように、薬が祭壇のようになる、薬が人を支配していることを予言していた。実際今日本もそうなりつつある。
星空の衛星写真は、宇宙からのエネルギー、宇宙線の予言。
キッチンと生肉を配るインスタレーションは、未来のエネルギーセンターを予言。
大理石に彫られた都市は、現在の文明が化石、遺跡となることを暗示。『世界遺産』となるのは観光地だけじゃない。
ドロドロに爛れた女性の顔のフィギアは、これから気が剥げて顔が変形していく女性のことだろう。
[高画質で再生]

ARTはアーホ! vol.3 [DO!深夜] 2012年11月11日放送分 [携帯ホームページ]

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