春の風にしては なにかおかしい
風がまるで生き物のように 生きていて
まるで意志があるみたいに
うなっている
これが結界をむしり取る 剥ぎ取ろうとする 風か
まるで海の近くにいるみたいに
台風のような嵐が 陸を襲う
ああそうか 海の想念が陸へやって来たなら
ここはもう 結界のない 海の上と同じなんだ
風が強くなり始めてから 湿度が異様に高い気がする
雨はまだ降っていないのに 風がべたつく
春の風ってこんなにじっとりしてたっけ?
海上の風が 遠い陸の上まで吹いて来て
まるで船の上にいるみたい
いつもより 随分早く開花した桜の
まだ柔らかいつぼみを 無残にも
はたき落すかのように
風は大暴れして 憎しみをまき散らす
日本中を駆け巡る
まるでもう二度と 結界を張らせないように
この季節に 小手先の術を 仕込ませないように
桜が散って行く
まだ本当は 春の嵐が吹く
この季節は 3月は
ちょうどシステムの入れ替えの時期で
冬の寒さが残るこの季節は まだどこかに冷静さが残る
本格的に 精神に グラグラするものが来るのは
桜の木の下で 人の気が触れ始めるのは
生暖かい風が流れる 4月
5月にはもう 患者ができあがる 5月病
もしかしたら3月のこの風は
4月の罠から 人々を救うかもしれない
もう春に張りきれないかもしれない
なんだか人が狂暴化しているように見えるけど
まるで断末魔
桜の花の命が 短くなって行く
長野市で観音像落下
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