新しい町の 図書館は
きれいで 本がいっぱいあって
図書館員も たくさんいて
居るだけで わくわくするから
しばらく 本を選んでいると
すぐに 空腹が 襲ってきて
本棚の前で 長居出来ない
いつも この調子で
悔しながら
まるで 追い出されるように
図書館を出て行く
東日本の結界は 崩れつつあって
空気も だんだん 軽くなっているけど
こういう 公共施設は
それ自体 小さいけれど 強力な
結界を 築いている
子供の頃は 図書館で
半日過ごしても 平気だったのに
今では ろくに 居ることもできないのは
退職した 世代が
大量に 図書館で 留まっているから
子供の頃は 図書館は
子供と学生の ものだった
おじいさんも いたけども
今のように 大勢 うろうろしてはいない
町中に 大人はたくさん いなかった
会社に 人生を エネルギーを捧げていた
世代が
退職後
今度は 吸血鬼と化して
町に 戻ってきて
若者の 子供の
エネルギーを吸いに やってくる
ドラキュラの伝説は
作り話ではなくて
エネルギー搾取の 正体を表わしていて
ドラキュラに噛まれた人間は
ドラキュラと化す
退職した世代が 大量に過ごす
図書館は
公園や 町中と違って
自然の緩衝も 受けづらいから
ドラキュラの館と 化してしまう
緑と 芝生にあふれた 公園を
自転車で 通り抜ける
近くの団地の 少年が
芝生の上で たむろしている
少年の心には 退屈が見える
幼い時から 過ごしている公園は
知り尽くしてしまった
少年には 野山が似合う
新しい生命 新しい発見が訪れる
自然の叡智を 身に付ける時
十代を迎えた 少年には
人がこしらえた 公園も
社会も
彼の野生を 抑えることはできない
少年が 冒険をするのは
新しい 地図を描くのは
自然が 女だと
知っているから
たとえ 海の波に さらわれようとも
山の崖から 崩れ落ちようとも
自然の中に飛び込んだ 彼の魂は
愛する女性の腕で 抱かれたようなもの
冒険や 挑戦が
彼の心に ある限り
彼は 常に
大いなる存在に
母や女性に
愛されていて
死ぬために 生きている
それが 男と いうものだろうか
自転車に乗ると 冷たい風が 頬を切る
最近は すっぴんで 外に出る
紫外線や 乾燥や
肌によくないこともあるのに
すっぴんで 出かけた方が
肌の調子が よくて
冬の季節なのに
化粧水一つで
過ごしている
十代の頃からずっと
肌のトラブルに 悩まされていて
あらゆることを 試しても
常に何か トラブってたのに
これまで これほどまでに
肌の調子が よかったことはない
おもえば 肌というのは
一番厄を 受けやすいんじゃないだろうか
一番 隠しにくくて
一番 空気に触れていて
一番 状態が 明るみに出る場所
ずっと本人の 精神状態や
体調や体質
使っている化粧品などの せいだと思ってて
確かに 心の状態も 今はとてもいいけれど
まさか 自分の肌が
こんなに強いとは 思えないから
それは 空気が 自分の肌に
悪さをしなくなっている
そんな気がして ならないのだ
空気の重さが 質量が
変わっているから
まるで 空気自体が 栄養になっていて
自然がこんなにも 人の味方だったなんて
人はもっと 長生きできると
少しずつ わかりかけてきている
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