2015年6月5日金曜日

波と凪 1



日本の島々を生んだイザナギとイザナミの
国産みの物語


イザナミのうぃきを読んでいたら
イザナミは死後
出雲と伯耆の国(鳥取)の県境にある
比婆山に葬られたという


ところが地図を見ると
比婆山は広島にもあって
ちょうど島根との県境の中国山脈にある

島根の鳥取と広島との県境
東と南に同じ比婆山があるのはなぜ?



イザナミが葬られたのは
鳥取方面の比婆山という説が
有力らしいけれども

こんな近距離に同じ名前の山があるとは
随分奇怪な・・・


地図を見ると広島方面の比婆山が
圧倒的に大きくて標高も高い
国はこちらを国定公園としていて
知名度もこちらの方が大きい


国が囲っているということは
こちらの方が怪しい気がするんですが、、、


出雲という地名は日本国母神であるイザナミの美称、稜威母(イズモ)からきたという説もあり、


ということは
イザナミって出雲のことだったとも言えるよね


そしてこれを想い出した



産鉄地帯

番外編:出雲と物部 5
http://kokuyouseki.blogspot.jp/2015/04/1134.html
物部が出雲の内部に入り込んでから
国譲りが始まった気がします

深く深く入ってから
国を奪われることになった

深く深く入っていたから
出雲の伝承や秘儀についても知っていた
その力も




私はもともと出雲族は吉備の民族だと
なぜか勘違いしていて
それは出雲族が製鉄民族だった記憶と
吉備の産鉄民族が
当時一番の製鉄民族だったと聞いたとき
ごっちゃになったようです


出雲と吉備を混同してしまったのは
その間にある中国山地が
豊富な産鉄地帯だからというのもあると想う


産鉄を通して
出雲と吉備は提携していたり
また競合していたりしていたのかもしれない
気が混じり合ったように見える
だから混同したような気がする



そしてイザナミが出雲に葬られたということ
その地が比婆山で出雲にあること
比婆山が産鉄地帯のど真ん中にあることなど


私にはイザナミは
当時の出雲に対する豪族同士の
呼び名のように想えてくる


だって名前からしても
イザナミの「ナミ(波)」は
日本海の荒々しい波のことで

イザナギの「ナギ(凪)」は
瀬戸内海の穏やかな凪のことだと想うのね



凪は、四方を山に囲まれ、風の弱い瀬戸内海のような内海では継続時間が長く、夏はこれがはっきりと現れる。


イザナギは恐らく吉備や阿波など
瀬戸内海沿岸を縄張りにしていた豪族たちの総称で
(阿波は現在の淡路島香川県徳島県のこと)


イザナミはそれに対して
日本海側を縄張りにしていた
古代出雲エリアを指していたんだと想う


イザ! ナミ(波)
イザ! ナギ(凪)

日本海側の出雲に行くか
瀬戸内海沿岸の吉備に出るか

製鉄を通した部族同士の交流が
そこには見えるのです


古代出雲の銅鐸も
これらの地域から出土してますしね



イザナギとイザナミ
国産みをしたカップル――古代の二大豪族は
当初仲良くやっていたと想うのですよ


多分出雲は女酋長が率いる国だったから 
イザナミ(女)

瀬戸内海側の豪族は男酋長だったから
イザナギ(男)



産鉄を通して交流し  提携関係を結び
国産み神話で

淡路島や四国  隠岐の島  九州
壱岐の島  対馬  佐渡島
最後に本州を産んだ


これは開拓された島々の順序だと想うんです


当時の西日本は常緑樹の原生林が覆う
もののけ姫のような真っ暗な森が列島を覆っていた
人がとても簡単に踏み込めない場所だったと想うのです  
暗黒列島


だから地理がわかりやすい島々から
入って行ったと想うのです


淡路島と四国から始まる日本の神話
その次が隠岐島



そしてイザナミがカグツチの出産で
火にまみれて死んでしまうんですが


これを火山の噴火だと解釈する人もいる
私もそれはアリだと想います



ただですね
比婆山が中国山脈のど真ん中にあって
イザナミとイザナギが
産鉄地帯である中国山地の
北と南の民族の呼び名だとすると
火山噴火よりもローカルな物語も
考えられると想うのですね


イザナミの焼死は
戦火の炎や   製鉄の炎による大火事
とかね


カグツチの炎に焼かれた後に
神々が生まれたのも
イザナミの出雲の壊滅後に
いくつかの部族が派生したとも読めるし


死んで腐敗したイザナミは
八雷神(やくさのいかづちがみ)に囲まれた
とあるのですが

これって出雲を滅ぼした
建御雷男神とも被りますよね?
雷の印


ちなみに建御雷男神はカグツチから生まれてます
イザナミを死に至らしめたカグツチ
その子が建御雷男神・・・


そして国譲りでまた出雲を攻める

イザナミの死や出雲の滅亡に関わる
雷の証




国産みにしても国譲りにしても
記紀って何度も同じエピソードを
使いまわしているような印象があります
木ノ花咲くや姫も出産時に焼かれるし


つまり同じことが何度も起きて
同じことを伝えようとしているのかもしれない


同じことというは
同じ部族の対立が何度も起きていたとかね



死んで腐敗したイザナミと
その死体から生まれた神々は

戦火に焼かれて荒廃した出雲の
その生き残りから  別の一族が誕生したとか


荒廃した出雲は黄泉の国となった
黄泉の国というのは死者の国なわけで
多分たくさんの人が殺され  遺体が散乱し
草の根一つ生えないほど
徹底的に焼かれてたのかもしれないですよ?

実際出雲からはたくさんの傷ついた人骨の
遺跡が見つかってますからね。。。


大空襲後の東京のように
炎に焼かれて真っ黒になって
大量の犠牲を生んだから
まるで黄泉のように暗い死者の国と
描写したのかもしれないですよ?

それは大陸から来た八雷神の  
雷の炎によって
着火したのかもしれないですよ?




イザナギはイザナミに会いに出雲に行くのだけど
すでに出雲は八雷神に支配されていて
イザナミは怨霊となって囲われていた

イザナミが黄泉比良坂を下って
イザナギを追っかけたのは
案外助けを求めていたのかもしれない?

でも追ってくるイザナミたちに
イザナギは桃や葡萄を投げながら退散する


帰りに黄泉比良坂があるなら
行きもここを通って行ったと想うのですね

坂があるような場所を超えて行ったのは
私には吉備の側から出雲方面へ
中国山地を超えて行ったようなイメージが浮かびます
桃や葡萄や筍や
黄泉比良坂で山の幸が登場するのも
実りが多い豊かな森の中という感じ


黄泉比良坂の  良坂と
イザナミが葬られた  婆山





最後イザナギは
黄泉の国の地上側の出口を大岩で塞いで
イザナミと完全に離縁するのですが


広島との県境にある比婆山の南に
神石というエリアがあるんですよね

広島県神石郡というのがあって
ここに神石高原町という町がある

この神石がイザナミたちの追従を封じた
大岩っぽいなと想うし

神石高原町の高原が
高天原に見えて来たりするんですよ


ここら辺で一波乱あったのかなあとか



イザナミの墓地は鳥取川の比婆山が有力ですが
私の勘だと多分広島との県境の比婆山に
出雲(イザナミ)の犠牲者が
大量に埋まっているかもしれないと想うのです


それが国がここを国定公園にして
国の管轄下に置いている理由でもあるのかなあと


産鉄地帯ですから
鉱山労働者かもしれないですが


鉱山労働は重労働ですから
死者もたくさん出たと想う




八雷神に支配された荒廃した出雲
海から上陸した渡来軍に対し
山を越えて脱出を図ろうとする出雲の人々


イザナミが鬼の形相で
黄泉比良坂を下るエピソードは
出雲族が命からがら
侵略者たちから脱出を図る光景のように想えてくる


藁をもすがる想いでイザナギに
助けを請うたのかもしれない


でもイザナギは変わり果てたイザナミを見て
石で封じて  逃げて行った





イザナミは死後「道敷大神(ちしきのおおかみ)」
とも呼ばれますが

道敷と書いてチシキと読ませるのは強引で
私は当時の出雲に
たくさんの知識があったんだろうなと想います


そしてまた道敷とは
東征の始まりの道がここから敷かれたのかなと
東征の道はここから始まった


だからイザナミとイザナギは離縁した
縄文時代に仲良く製鉄して交流して
日本列島をそれぞれ開拓していた民族

日本列島の二大勢力だった
古代出雲と  
瀬戸内海の豪族――吉備や阿波は
ここで完全に決別した


吉備は『八つ墓村』の舞台にもなった
怨念渦巻く地域ですが
なんとなくその理由もわかるような



縄文時代
始めは仲良く協力関係だった部族が
大陸からの雷の一族の襲来――雷事変で
敵対するようになったのかもしれない
















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