夢の中で
洋風の部屋の中に居て 窓辺は テラスがあって
赤いラタンの扉が 風で開いたり閉まったりしていた
その先には 金色の麦畑が広がっていて
ここはとても空気のきれいな高地だから
もう雲があちこちに掛かっていて
綿雪のような雲が 麦畑に落ちていて
部屋に入ってきた雲を 部屋の外を見ながら
私は母と食べていた
遠くには 青い山がある
前に夢で見た あの青い山かもしれない
母はまた ご近所さんの話をしている
その時お隣に住むおばさんのAさんが
突然醜いせむしのような姿
妖怪のような 昆虫のような姿が
私の中で浮かんだ
急に
赤いラタンの扉が バタバタと締まり始め
私たちは閉じ込められてしまった
どうしたの!?
それはお向かいの幼馴染のKちゃんの仕業だった
どうしたの?
私がKちゃんの顔を伺うと
Kちゃんは部屋の中を逃げ回った
その顔は涙で濡れていた
私が理由を尋ねても
ただ泣き顔を見せるばかりだった
年上の勝気なKちゃんの泣き顔を
私は一度も見たことがないのに
こんな風に雲が黄色い麦畑にかかっていた。夢では右端に青い山の裾野が見えた。
私が育った家は、広いグラウンドを持つ学校のバックネット裏だった。
Kちゃんの住む家の並びは、目の前のグラウンドのおかげでとても日当たりがよかった。
日当たりのいいグラウンド沿いの家々は、なぜかどの家も不幸が襲っていた。
Kちゃんの家は、母親が不倫に走って家を出た。そのお隣は母親がガンで早逝し父親が経営していた会社がバブル後に倒産し、家を手放した。そのお隣も自営の会社が巨額の負債を抱え、一家は家を出た。
更にそのお隣には異様な風貌をしたおばさんが子供たちに「魔女」と呼ばれ、ゴミ屋敷に住んでいた。
そのお隣は、母親がガンで40代の若さで亡くなった。
考えてみたら、穏やかな住宅地であるその一帯で起こる不幸は、全部そのグラウンド沿いの並びにしか起きていなかった。その界隈で、南向きの一番いい立地にある家々に、全ての不幸が集中していた。
夢の中でせむし姿で現れた醜い妖怪は、私の家のお隣のAさんで、幼稚園の園長さんだった。
悪いうわさは何もない。私は顔も覚えていない。
でも、確かにそのAさんが妖怪のような姿をしているのを私は見た。「餓鬼」のような感じだった。
子供の大きさしかなかった。まだ専業主婦が多かった時代、公務員となって幼稚園や児童館などの館長を務めていた。だから実際ほとんど家に居なかった。
もし仮に、本当に仮に、推測でしかないけど、もしオババという存在が居たとしたら、それは単に不幸が見たいんじゃないかと想う。
自分にとって何の利益もなく、ほとんど関わりのない人たちに対しても、単に他人に不幸が襲っているのを見たいだけ。
じゃないと説明が付かないんだが。曲者はもっと他にもいたのにw
近所で起こる不幸とオババは何の関係もないかもしれない。でもKちゃんのことを想いだすたびに、あの時期に立て続けに起きた近所の不運を思わずにはいられない。不幸と呼べるほどのものではないが、運気の低下は我が家も例外ではなかった。
公務員で子供たちの管理者を歴任しているってなると、まあいかにもなんだけど・・・。
こうやって少しずつ皆が皆の正体を知っていくのかなあ・・・。
夢の中で私が居た部屋は赤いラタンの扉だった。これは鳥居じゃないだろうか。外の小麦畑?田んぼ?に引っかかっていた浮かんでいた雲は想念体を表していないか?私は部屋の中に入ってくる雲(想念)を食べていた。
赤い鳥居は集合意識の囲い。夢の中で部屋に居るときというのは、囲われていることを示している。
夢は本来もっと自由だから。
外に広がる麦畑の金色が眩しかった。遊郭に居たときの夢も、外の世界は黄色の暖簾の向こうに広がっていた。そして私はその向こうに行くことができなかった。
囲われた外の世界はなぜか金色の、眩しい光に満ちている。部屋の中はいつも薄暗い。
赤や黄色は境界にある色なんじゃないだろうか。境界を示すというか。
信号はなぜ赤や黄色で「止まれ」なのだろうか。
海の色の青で「進め」になる。
赤は血や炎の色だから潜在的に恐怖心を覚えさせる。
デンジャーゾーンは黄色と黒のストライプ。印象に残りやすい色ということなのだろうか。
「炎」で画像検索した結果
結果が表示されるとすごいビビります・・・w
やっぱり炎には潜在的に恐怖を感じるのかもしれない。
炎は赤だったり黄色だったりする。
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