2012年1月31日火曜日

猫日和 1

猫は探さなくても   向こうが待っているから


いつも会える


猫は誰かが来るのを   その数分前にはわかっている


私と遊んでいる時   急にそわそわし出して


落ち着かなくなる   そして私を置いて行った先に


しばらくして   駐車場に車を停めている若者が


やってきて   猫を見つけて


撫でてやっている


私と居た場所から   若者が来るのは見えないはずなのに



暗い公園の   林の中から


私を呼ぶ声がする


ちゃんと私が見つけられるように


でも他人には見つけにくいような位置で


猫が待っている


しばらく遊んで   二匹の猫に


エサをやっていると


いつもエサを上げているおばさんが


二匹の名前を呼びながら   通り過ぎていく



私がエサを上げているのを知ると


ものすごく   残念そうで


何だかとても悪いことをしたようで 


申しわけない気持ちになったから


私のエサじゃ足りないですよと


エサを上げるのを勧めてみた


彼女が持ってきたエサを上げると


オス猫はきれいに平らげた


猫の話をずっとしてくれて


こんなに世話してあげる人がいるのに


なんで私が呼びとめられたんだろうかと


不思議に思った



ネコがエサを食べる時


ネコに限らず   お腹をすかせた野生の動物が


食べ物にありつく時


その時   物凄く大きなエネルギーが放出される


それはエサを上げている人間に入って来るようで


そのエネルギーを感じるから   エサをやりたくなってしまう


そのオバサンは   猫の話をとてもエネルギッシュに話すせいか


私は何だか   ぐわんぐわんしてきて


気を当てられたのか   軽く酔ってしまった



あのおばさんは   猫の食欲のエネルギーで


あんなに元気なんだな


もうあの猫たちに   あの時間帯に


エサを上げることは   憚れる・・・



そう   野生の猫は


彼女のエネルギー源


私は釘を刺されたようなもので


あの猫たちは  彼女の飼い猫のようなもの



あの猫たち


まさか救いを   求めてたのかな



食べ物を見せつけられると   人は自動的に


動物は自動的に   エネルギーを放出するから


食べ物の写真や   食べ物の話は


エネルギーを集めるのに   とても効果的なの


動物の生存欲求を刺激するから


深く深く   人を   動物を


動かすことが出来る





3匹の猫

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