2011年12月21日水曜日

町を行く

新しい町の  図書館は


きれいで  本がいっぱいあって


図書館員も  たくさんいて


居るだけで  わくわくするから


しばらく  本を選んでいると


すぐに  空腹が  襲ってきて


本棚の前で  長居出来ない


いつも  この調子で


悔しながら


まるで  追い出されるように


図書館を出て行く



東日本の結界は  崩れつつあって


空気も  だんだん  軽くなっているけど


こういう  公共施設は


それ自体  小さいけれど  強力な


結界を  築いている



子供の頃は  図書館で


半日過ごしても  平気だったのに


今では  ろくに  居ることもできないのは


退職した  世代が


大量に  図書館で  留まっているから



子供の頃は  図書館は


子供と学生の  ものだった


おじいさんも  いたけども


今のように  大勢  うろうろしてはいない


町中に  大人はたくさん  いなかった



会社に  人生を  エネルギーを捧げていた


世代が


退職後


今度は  吸血鬼と化して


町に  戻ってきて


若者の  子供の


エネルギーを吸いに  やってくる



ドラキュラの伝説は


作り話ではなくて


エネルギー搾取の  正体を表わしていて


ドラキュラに噛まれた人間は


ドラキュラと化す


退職した世代が  大量に過ごす


図書館は  


公園や  町中と違って


自然の緩衝も  受けづらいから


ドラキュラの館と  化してしまう



緑と  芝生にあふれた  公園を


自転車で  通り抜ける


近くの団地の  少年が


芝生の上で  たむろしている



少年の心には  退屈が見える


幼い時から  過ごしている公園は


知り尽くしてしまった


少年には  野山が似合う


新しい生命  新しい発見が訪れる


自然の叡智を  身に付ける時  



十代を迎えた  少年には


人がこしらえた  公園も


社会も  


彼の野生を  抑えることはできない



少年が  冒険をするのは


新しい  地図を描くのは


自然が  女だと


知っているから


たとえ  海の波に  さらわれようとも


山の崖から  崩れ落ちようとも


自然の中に飛び込んだ  彼の魂は


愛する女性の腕で  抱かれたようなもの



冒険や  挑戦が


彼の心に  ある限り


彼は  常に


大いなる存在に  


母や女性に


愛されていて


死ぬために  生きている


それが  男と  いうものだろうか




自転車に乗ると  冷たい風が  頬を切る


最近は  すっぴんで  外に出る


紫外線や  乾燥や  


肌によくないこともあるのに


すっぴんで  出かけた方が


肌の調子が  よくて


冬の季節なのに


化粧水一つで


過ごしている



十代の頃からずっと 


肌のトラブルに  悩まされていて


あらゆることを  試しても


常に何か  トラブってたのに


これまで  これほどまでに


肌の調子が  よかったことはない



おもえば  肌というのは


一番厄を  受けやすいんじゃないだろうか


一番  隠しにくくて


一番  空気に触れていて


一番  状態が  明るみに出る場所



ずっと本人の  精神状態や


体調や体質  


使っている化粧品などの  せいだと思ってて


確かに  心の状態も  今はとてもいいけれど


まさか  自分の肌が  


こんなに強いとは  思えないから


それは  空気が  自分の肌に


悪さをしなくなっている


そんな気がして  ならないのだ



空気の重さが  質量が  


変わっているから


まるで  空気自体が  栄養になっていて


自然がこんなにも  人の味方だったなんて


人はもっと  長生きできると  


少しずつ  わかりかけてきている




森にすむ大蛇

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