2015年5月6日水曜日

インターステラー:事象の地平線



Interstellar-2.jpg
スカイツリーっぽい。新たな塔を建てろみたいな




『インターステラー』の冒頭で
10年間空を飛び続ける
ドローンが出てくるんですが

ちょうど官邸にドローンが落ちた事件が起きて
私はこの事件で初めて
ドローンというものを知ったのですが


『インターステラー』の時代設定も
『ヨコハマ買い出し紀行』のように
地球の終末を描いていて
『ヨコハマ~』でもずっと上空を周回し続ける
ドローンのような飛行機が出てくるんですよね


着陸せずに飛び続ける
天空に放置された旧時代の遺産
世界の終末に共通したイメージが現れている
そういう未来が待っているのだろうか



そして『インターステラー』を観ているときに

ロシア宇宙輸送船、制御不能で地球に降下開始


こんなニュースが流れてて

現実と非現実が互いに干渉し合っているような
錯覚に陥ってしまったんですが


現実に起きたドローンの事件と
宇宙船の制御不能のニュース


その中間点で自分が
『インターステラー』の映画を観ていることに
この映画に物理理論がたくさん出てくるせいか
自分自身も物理的な作用や現象の一つであるような
そんなことをちょっと考えてしまったんですよね




『インターステラー』で「事象の地平線
または「事象の地平面」という
ブラックホールの理論が出てくるんですが



ブラックホール1



ふと私に起きた現実
ドローンと『インター~』とロシアの宇宙船事故
この三つの点は
円の外側の事象の地平線で
起きていることなんじゃないかと


「事象の地平線」というのを「現実」に置き換えれば
現実はこの円の外側にある外縁で
円の中心であるブラックホールの潰れた星
これが特異点と呼ばれるものなんだけど
そこが全体の核となっていて
その核が起こしていることが
地平線に事象となって現れる
現実なのではないかと想った



ブラックホールは集合意識みたいなもので
私たちの現実は集合意識の外周で起きている
集合意識の核は特異点で
現実というエネルギーを生み出す
いわば種子みたいなものかなあと


この特異点は星が潰れるほどの重力
最大限の重力が起きていて
そこに何があるのか
その謎がこの映画のクライマックス


星が潰れるほどの重い力
重いは想い
だからブラックホールの中は
光さえも強烈にその想いに引き寄せられる


一方でそこにはその等価である
星ひとつ分のエネルギーが存在していて
その力を利用して他惑星へワープする


ブラックホールの仕組みが
人類の集合意識のシステムであると
『インセプション』の監督のノーランは
完全にわかっているんですよね




この映画のテーマは
重力を科学的に映像化することと
人類の「愛」の物語でで
極端に科学的なテーマと極端に人間臭い物語が
ストーリーの軸となって展開されているんだけど

一見まったく相対立しているようなテーマが
実はエネルギーという意味では全く同じで


ブラックホールという宇宙物理からアプローチしても
愛という人の感情の集合意識からアプローチしても
最後は同じシステムに辿り着く


だから宇宙という広大なマクロに
観客の視点を連れて行っているように見えて
その狙いは相変わらず人の集合意識という
泥くさい感情エネルギーを
掴もうとしているように想えた



モーゼの出エジプトが
約束の地を目指しながら
人類の洗脳の始まりであったように





『サカサマのパテマ』と同時に公開された
『アップサイドダウン 重力の恋人』のような
空にも町がある風景が最後に出て来て
すごいびっくりした


『ゼロ・グラビティ』にしても
最近重力モノが多いのは
結界崩壊と同時に新たに作り直せという
指示でもあるのかな


『2001年宇宙の旅』にしても
『インターステラー』にしても
科学の先には神がいるみたいな
宗教くさいのよね


それを否定するつもりはないけど
滅びに向かう地球を脱出して
新たな星を探すのは「出エジプト」だし
主人公はきっとモーゼだし

地球をダメにした人類がまた別の星に移住しても
きっとまた同じようにダメにするんだろうなと
そこら辺の反省が全くないまま
新天地見つければOKみたいな
いかにもアメリカ的
また別の星を食い尽くすのかな


主人公もその一家も典型的なアメリカ人で
珍しく登場人物のほとんどに好感を持てなくて
感情移入が出来なかった
また同じ未来を繰り返しても驚かない



映画の中で神が五次元の人だとか
未来の高度な人類だとかに置き換わっただけで
出エジプトの神話の時代と
やってることは何も変わらないんだよね
ずっと人類に対してされていることって
家畜の群れを率いて放牧するのと同じ


そしてそれを率いているのは
未来の人類という設定も仄めかされたりしていて
これからは神様の代わりに未来人がトレンドなのかな
でもそれはあり得るだろうなーと想ったり


私はずっと自分が興味のある古代史を調べているけど
もしかしてそれだって集合無意識のレベルでは
古代に干渉していたり
逆に干渉を受けていたりするのかもしれないのよ


現在が現実だとして
人類に関する情報みたいなものは
過去や未来から授かるような気がする
というか過去や未来からしか来ないよね?


SFや古代史は究極の未来と究極の過去で
人類の始まりと行く末
出発と終点なわけで
出発地とゴールがわかれば
その間の展開って自ずと見えてくる


よくある予言や能力って
そこから来ているんじゃないかなあと






砂嵐に覆われたアメリカの内陸が
世界の終りみたいになって
地球でそこ以外の描写はない

私が想うに多分住めなくなるのは
欧米のような大陸なんじゃないかと想う


砂の一粒一粒が地球の意志で
大地から奪い続けた結果が
砂嵐の復讐


でも彼らは欧米を捨てて
他の国や土地に移るなら
火星や別の星に移住する方を選ぶんじゃないかな
プライドが許さないと想う(笑



都会に慣れた人間が田舎で暮らせないように
人は住む場所を選んでいるようで
場所に選ばれていることの方が多い


地球にNOと言われたら
たとえまだ住める場所があったとしても
本当は生活できる環境でも
出ていく方を選ぶんだよね


それは自発的に選んでいるように見えて
本当はただ拒否られているだけだったり









【※ネタバレあり】『インターステラー』
INTERSTELLAR.png
壁一面の本棚とか集合意識のメタだったり。人類を救う一人の女性とかも最近よく出てくるテーマ















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