2011年12月12日月曜日

憧憬

植物園に  木を見に行ったら


いろんな種類の  木が植えられていたけど


どこかしら  苦しそうで


あまり  楽しくなかった


狭いところに  集められているせいなのか


『果実は取らないでください』


注意書きに  ここの樹木の  エネルギーは


循環しているのではなく


何かに利用されている  


そんな気がした



大きな公園を  見つけて


紅葉した   銀杏並木や


どこまでも広く  枝を伸ばした


欅並木の  下を通ったら


黄色く  色づいた  


葉が  輝いていて


どうして  植物園が  つまらなかったのか


何となく  わかった気がした



流水に触れているときと


大きな樹木の  下を通る時


いつも  何かを  教えてくれる



遥か天まで  届くほど  幹を 枝を伸ばした


大木たちは  びゅんびゅん  エネルギーを


飛ばしている


地深く  張った根から  吸収した


大地のエネルギーと


冬空の下  白くなっていく空気と


公園に集まる人々の  エネルギーを


樹木は  吸って  浄化して  


戻している


公園は  エネルギーが  循環しているから


ぐるぐる  ぐるぐる  みんな  回る



植物園の  大きく 枝を伸ばせない木や


狭い所に  押し込められた木や


成長できなかった  小さな木は


本当は  みんな  大木に  なりたかった



病気で動けない  子供は


ひたすら  強い念を  発している


それは


成長できない   身体の叫びが  魂に深く  刻まれているのと


大人や自然の  全ての憐みを  エネルギーとして受け取っているからで


小さな木が  大きな木から  エネルギーを集めて  


願いを叶えて  貰っているのは


成長できない木が  とても悲しいのを  


大きな木が知っているから


どんな木も


本当は  大きくなりたいと  思っている


天まで高く  枝を伸ばす  大木の姿に  


強く  強く  憧れている



小さな木に  集められたエネルギーで


願いを叶えて  貰おうとするのは


成長できない  病気の子供に  


お願いをするのと  同じくらい  


残酷なこと



そんなことを  紅葉に染まった


木々の下で  ふと思った




紅葉

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